私は恐れているのです。おそらくそれは、
林檎を頬張るその1コンマ手前で私は私を忘れる。いや、私になるのだろうか。
愛はいつも不可能で君と永遠に繋がった記憶には愛に関するものは何も刻まれちゃいない。
世界はあなたで終わり、あなたで始まる。それを繰り返す。
林檎が熟れるその直前まではいつも電気信号が地面を通ってその川辺まで届いているのに、どうして明日は昨日と同じ色でつやつやと光を放つのでございましょうか。本当のことを言って下さいまし。貴方は誰で貴方は誰になるのでございましょうか。
詩のような音楽のような鋭い旋律が電磁波を超えて……
熟すのを待って、腐るのを待って、熟すのを待って、腐るのを待って、、、
お願いですからこの円環の結びを解いて下さいまし。
これでおしまい。壊れた道筋を忘れて始まり。
難解なパズルみたいな言葉遊びをしながら夜を朱色に染めて、こんな飯事が飯事のまま終わればいいやと舌を噛んだ。
愛がないから愛になって
愛だったから愛じゃなくなって
知恵を畏れているのでしょう。
私を忘れているのでしょう。
私と貴方、心と身体は今もばらばらに裁断されているのでございます。どのように治療を施しましょうか見当もございませぬ。おお、同士よ、あなたはどうして私の中に入って来られたのでしょうか。私の命は愛の可能性に懸けられているのです。命を繋いでいるからこそ膿んだ傷口が愛の不可能性を証明してしまう前に、嫌味な契約書は全部捨てて、心を捧げたいと思う日々でございます。
しかし何を奏でようとも答えは見つかりませぬ。ですから私達は境界線上でダンスを踊りませんこと?