#生きる練習

日常系ゆるふわ思い付きブログ

青い部屋

少年は正しい者勝ちの殴り合いこそが人間関係だと思っていた。少年はクラスメイトをいじめていた。教師に見つかってボコボコにされたけど、自分の弱さにも加虐性にも気づいていなかった。正しいと思い込んでいる自分のことしかわからなかったから何にも歯止めが効かなかった。

次はテストの答案に教師のこと「死ね」と書いて提出した。校長室に呼び出されて受験の合格と引き合いにして詰問された。大人ってこういうこともするのかと思った。単なる“正しい”主張だったのに。

家に帰ると真っ暗な部屋に閉じ込められた。何にも向き合えなかったので障子をじっと見つめていた。青くなって黒くなって、時間なんて概念はなくなるくらい長い時間が経っていた。何にも向き合えなかったのは少年の母親もそうだった。あくまでも自分本位だから向き合えなかった。

正当化は永遠にできないけれど、自分一人で向き合うしかないんだろうなと思った。自分の中の見たくないものを処理するのは自分の手でしかないんだろう。自分は自分からは逃れられないのに、どうして他の誰もそのことには向き合っていないように思えるんだろうか。自分のことは正当化してはいけないから、あの青い部屋で自分を殴り続けるしかできなくなってしまった。