読まなくていい

半径2mで収まる命

なかったことにされました

冷たい水も目に染みる

エアコンつけたら頭が痛い

努力なんかするものか

輝けないのわかってるから

辛いんでしょう

理由もなく欠席した催し

幸せな妄想に寝かしつけられていた頃が懐かしい

今は邪推と絶望をかき消すようにして眠りに就いてる

人を傷つけることくらいは教わった

自分が傷つけられないように監視しておくことも教わった

スーパーに行ったら現世最後の記憶だと思った

起き上がる気もなかったから命拾いした

愛することだけしたかったのに

単純になれないから利己主義がちらついてくる

関係性を築きたかっただけのときもそう

せっかく買った線香

船とともに消えた手ぬぐい

滝壺に落ちたキーホルダー

なかったことになっちゃったけど

入れ墨にして残しておく

夜は呪いの色

自分の手も凶器に見えた

なりたくない自分を許してる自分

せっかく覚えた悪口

整理されることのない未分類フォルダ

気持ちよくなる

あなたもわたしも自分だけ

柚子の匂いと突き刺す夢

都合の良い学習能力

都合の悪い記憶能力

一応シェルターのつもり

自分にだって呪うことしかできないから

誰しも呪ってしまう

来世で触れ合えたら

虫も鳴かないこの箱で

風がドアを叩くのに怯えて

朝が来ないのを待ちわびている

寝袋は隙間がないから落ち着く

遠くにいってしまいたいのは留まることへの恐怖

非生産のモデルとして考えたいけど

今の世界だとどこにもいないことと同じように見える

本当は承認は要らない

自分が自分を承認できる

誰かを愛せるのなら

疲れたでしょう

疲れました