-回想-
家父長制のもとにある家族内の不均衡を一顧だにできない父親と、自らの(性)欲望をその中で際限なく子供にぶつける母親。自分の家族を見て、そのあまりにもグロテスクな様相の中で何かが歪む。何かって、それは観測される身体。
例えばマッチングアプリで大学院生はーー
A.対象にはなりません。
仕方のないこと。
仕方のないことという言い方ではなく、本人にその意志の所在はないと言う方がいいのかもしれない。
恋愛においてなお結婚はプラクティカルな問題なのである。家父長制に温存された男という地位からは見えないかもしれなくとも、結婚によってのみ社会的地位(それもまた構築された虚構に過ぎないが)を操作しうる側の性にとっては切実な問題である。