祝祭の呪文
好きな人には幸せでいてほしい。
とにかく苦しいことが多すぎる。私たちが生きてゆくには聖なるものと不浄なるものを峻別する必要があった。
なんでもない住宅街の知らない路地に落ちている感情を拾いに行く夜は不安を煮詰めた味がした。これが必要だった。
嫌われるのは怖くない。本当に心から救われている。あとは私の中にはない関係性だけ。そこにあるだけ。
誰かを想うとき、既に呪詛は己の中に存在し、呪詛をかける相手こそ正しく自己。この祝詞が関係性へと統合されてゆく。怖れは幸せのステージへ。
何も意図して描かれる必要はなくて、形作られていない存在が形作られてゆく。少し距離のある誰かによって。少しでも私のことを考えてくれたそのことが尊いというだけ。独り言だよ。